死神は花を狂おしい程愛してる
「容赦ねぇな……」
「だよな」
「ボスもだが、洋次も容赦ねぇ。
あの二人には、命を奪うことへの抵抗はねぇのか?」
「相手に何も弁解もさせねぇもんな…」
「あの女も、何で殺されたかわからないだろうな」
口々に話す、部下達。

「なんなんだよ、これ…」
この蒼士の部屋での流れを、古澤が別室で見ていた。
「これが、東園 蒼士だ。
ボスは、自分を裏切る人間、花楓様や自分に勝手に触れる人間、自分を怒らせる人間……
それ等を容赦なく、消す。
どうする?
ボスはお前に、ここでボスの為に働けとおっしゃってる」
「こんなおっかない奴のとこで働けっつうのかよ!?」
「てか、選択肢ねぇよ…
だって、ほんとならさっきの女みたいに一発であの世行きだぜ!殺すことへの躊躇も、抵抗もない。
あの二人…特にボスの力、お前も目の当たりにしただろ?」
そう言って、古澤の手首を指差す。

「ボスは片手で折っただろ?それ!」
「あぁ…」
「まぁ…そうゆうこと?だよ!」
「………わかった」

「まぁ…頑張れや!」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あの、ちょっとお庭に出てもいいですか?」
「はい、お庭でしたら大丈夫ですよ。
敷地内ですから」
その頃…羽山に一言断りを入れ、庭に出た花楓。

「んーー!気持ちいい~」
広い庭をただあてもなく、歩いた。
すると門のところで、なにやら揉めている声が聞こえる。
花楓が門の前まで向かうと、女性と門番が揉めていた。
「だから!一度、会わせてって言ってるの!?
一目だけでも見てみたいの!
蒼士の奥さん」
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