死神は花を狂おしい程愛してる
「あ、知らない?
私が裏で言われてるの」
「知ってたよ」
「だから、蒼士さんもおじ様に言われて、無理やり来てくれたんでしょ?
お父様とおじ様は親友だから」
「そうだよ。でも……」
「え?」

「………もっと早く来ればよかったって後悔してる」
「え?それって、どうゆう……」
「結婚…しよ?」
「え……」
「今すぐに」
「え?蒼士…さん…?」
「花楓もそのつもりで来たんだよね?」
「そうだけど……まだ知り合って一日も経ってないし」
あまりの唐突な蒼士は言葉に、明らかに動揺する花楓。

「大丈夫。絶対…惚れさせてみせるから。
それに、放さない━━━」
「それって………」
「愛してるよ」

だって、一目で花楓に落ちたんだから━━━━━

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そして次の日の早朝には、蒼士の使用人や部下達が大勢五条家に来て、花楓の荷物を取りに来たのだ。
花楓は有無も言わせてもらえないまま、東園家で蒼士と住むことになったのだ。

東園家に着くと、蒼士が待機していてすぐに力強く抱き締められた。
「今日から、ずっと一緒ね!
絶対、放さないからね!」
と言われ、
「ねぇ…書いて?」
と婚姻届を書かされ、
「今から、結婚指輪買いに行こ?」
と連れ出された。

車内で花楓にぴったりとくっついている、蒼士。
指を絡めるように、手を繋ぎずっと熱っぽく見つめている。
「花楓って、可愛いね」
「へ///?」
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