死神は花を狂おしい程愛してる
「え?蒼士さん?」
「もう少し…話さない?二人で!」

離れたくない。
このまま、一緒にいたい。

「えぇ…少しなら…」
手を引いて、外に出た。
だいぶ気候も暖かくなってきているが、日が落ちるとまだ外は少し冷える。

蒼士は着ていたジャケットを脱ぎ、花楓に羽織らせた。
「寒いでしょ?」
「え?でもこれじゃ…蒼士さんが寒いでしょ?」
「俺は…めっちゃ暑いから大丈夫」
「え?暑い?」
蒼士を見上げる、花楓。

「花楓…さんを想うと、身体が熱くなる……」
その花楓を熱っぽく見つめ返した。
「あの…///あんまり見つめないで……」
「なんで?」
「恥ずかし……」
「でも…ずっと見てたい…////」

目を離したくない━━━━━

「でも、どうして?」
「ん?」
「お見合い、嫌だったんじゃ……?
だから、来るの遅かったんだよね?
大丈夫。私からお断りしておくから。
そうすれば、蒼士さんが怒られない」
「花楓…は?」
「え……?」
「花楓の気持ち…知りたい……」
その間も、ジッと花楓を見つめている蒼士。

「……ずっと“また”会いたかったよ…」
「え?また?」
「蒼士さんは覚えてないみたいだけど、私達二度目なの。会うの。
初めて会った時、助けてくれたんだよ。パーティー会場でたくさんの男性に囲まれてた私を……
ずっと会ってお礼言いたくて……
あの時は、ありがとう!
あれから男性不信みたいになって、ずっと治療してたの。
だから“売れ残りの花”なんて言われるようになっちゃって………」
蒼士はただ、黙って聞いていた。
だからか……
じゃないと、とっくに結婚しててもおかしくないはずだ。
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