彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
嬉しい気持ちと、恥ずかしすぎる気持ち。
絵の具みたいに
ぐちゃぐちゃに混ざり合って。
どんな顔をして、
氷牙さんを見ていいかもわからない。
目が回るくらいドキドキして、
氷牙さんに視線を送ることもできない。
脳が溶けるんじゃないかって程、
顔の熱が上がって。
心臓も、脈も、呼吸までもが
異常行動を起こして。
俯くのが精いっぱい。
「電車で氷牙さんが見た女の人って……
本当に私ですか……?」
「髪が赤茶色で、
ウエーブかかった人魚姫みたいな奴。
みくるのほかに、いないだろ?」