彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「みくる、婚姻届は持ってるか?」
「……持って……ます…っ…けど……」
「今すぐ出して!」
俺の睨んだ眼にビビるように
肩を突き上げたみくるは
涙目をこすり、
カバンから婚姻届けを出した。
一目見て
「やっぱりなぁ」
俺の口から、苛立ちがこぼれる。
一画も
みくるの文字は、記入されてない。
婚姻届けに書かれているのは
みくると結婚したい!って
浮かれ踊っている、俺の文字だけ。
俺は嫌みな顔で、婚姻届けを奪い取ると
「こんな紙、もう、いらないよな?」
みくるの目の前で、ボロボロに破り
怒りを封じ込めるようにグシャっとして
自分のポケットにねじ込んだ。