彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「蓮見さん。
この本、持ち帰ってください」
「本当にいいの?」
「……ああ」
「これ以外に、
みくるちゃんと結ばれる方法なんて、
無いかもよ?」
「それでも……いいんです。
俺は『みくるのいない人生を歩む』と
決めたので」
「そう~」
蓮見さんは
今にも泣きそうな顔で
苦し声を吐き出すと。
「氷牙が自分で決めたのなら、
これ以上、私が何か言うのも違うね」
自分に言い聞かせるように、何度も頷いた。