彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
印鑑を手に、玄関ドアを開ける。
いつもの
爽やか+チャラい÷2系の、お兄さんが
『どうも~。シロ犬宅急便で~す』
帽子のツバを手で挟み
営業スマイルを、光らせている。
と、思いきや……
全くの別人で。
「……よぉ」
恥ずかしそうに、私から視線を外し。
「……さっきは……ごめん」
真っ赤なメガネの上に、
長めの前髪を集め。
「人体実験……させてくれない……?」
頬を真っ赤に染め
弱々しい言葉を吐きだしたから
私は、驚きを遥かに飛び越え
全神経が、フリーズしてしまった。