彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
……ん?
……人体……実験?
目を高速でパチパチ。
凍った脳を解凍しながら、
首をかしげて考える。
私の前に……氷牙さんが……いる……?
いやいや、そんなはずは無いよ。
氷牙さんは私のこと
もう二度と会いたくないほど、大嫌いだし。
さっきのパレード中だって
『なんでいるんだよ!』って
言わんばかりの目で、睨まれたし。
お父さんのイタズラ?
それとも、そっくりさん?
あっ、そっか、そっか。
失恋の痛みに耐えられない私が作り出した、
お化けかぁ。