モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「……っ、ちょ、水…っ、牧……くんっ」

一瞬離れた隙に、美乃里ちゃんが声を漏らす。

そんな可愛い声で呼ぶからじゃん。

「……美乃里ちゃんが悪いんだよ、俺を煽るから」

そう言って再び、奪うようにキスをする。

何度も何度も。角度を変えて。

美乃里ちゃんをもう絶対に逃すまいと、彼女の背中を窓横の壁に預けながら。

「……煽ってないっ、本当のこと言っただけっ」

「ほら、またそう言うこという」

吐息混じりに彼女の首筋に顔を埋めて言えば、華奢な身体がビクッと反応して。

俺の理性を殺しかける。

壊れないように、優しく触れるように、大事にしなきゃいけないってわかっているのに、

俺だけを見ててほしくて、もっと欲しがってほしくて。

強引になってしまう。

俺はそこまで大人でもなければ器用じゃないと痛感する。

美乃里ちゃんが、俺を俺じゃなくさせる天才だから。

嫌われたくない、怖がられたくない、それでもどこか少し暴走してしまう。

それでも、触れるたび、彼女が俺の手をギュッと握ってくれるから。

今だけは、許して欲しいと甘えてしまって。
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