モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「今度って言ったら今度。明日は無理だよ。連続でカレー食べる気?水牧くんバイトあるし」

「美乃里ちゃんが作ったものなら同じものでもなんでもいいんだよ。やめろと言われたらバイトも辞める」

「……いや、」

冗談だとわかっているけど、本当に今辞めてと言ったら辞めそうな勢い。目が。

「てか、」

突然、横に並んでいたはずの水牧くんがいなくなったと思ったら、

「へ、ちょ、」

後ろから彼の体温が伝わってそのまま包まれた。

「……いつまで苗字なの、俺」

私の肩に顔を預けたまま耳元に吐息混じりで呟く声に、

身体がビクッと反応してしまう。

「アズコンのステージでは呼んでくれたのに」

「っ、それは、水牧くんの、演出というか、そのっ」

「なに。呼ぶのいや?」

「……っ、い、いやじゃないけど」

シンプルに、すごく照れるだけだ。
『果歩くん』なんて。
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