モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「じゃあ呼んで」

「……っ、」

顔を見られないこの体勢なのがまだ、救い。

「……果歩、くん」

「くん、いらない」

「……か、果歩」

「なに?」

後ろから聞こえる声が、私の心臓をどんどんおかしくさせる。

おふざけモードの時とは違う。
色っぽい声。

……ずるいな。
いつもドキドキさせられてばっかりで。

一緒に過ごすたびに好きが募ってしまってしょうがない。

私だってちょっとくらい、こういう時に優位に立ちたい……から。

「果歩、……好き、」

「……ちょ、それは逮捕案件だな、月本美乃里さん」

『美乃里さん』って。
そんな風に普段呼ばないからおかしい。

効果てきめんだったらしい。
私だってやるときはやるんだから。

伝わる分、私だって同じぐらい。ううん。それ以上伝えるよ。
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