モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

ははっ、そりゃそうだよな。

帰ろ……。

来た道を戻ろうとした瞬間、

「果歩くん?」

落ち着いた優しい声が俺を呼んだ。

まさかと思いながら、

ふたたび『三日月』に目を向けると、お店の入り口の鍵を閉めたばかりの剛さんがこちらを見ていた。

『三日月』の店主。(ごう)さん。

今の俺の、親代わりのような、いや、流石にそれはおこがましい。

唯一、心を許せる大人だ。

「あ、ごめんね!お店、今閉めちゃって…」

「いや、すみませんっ。閉店時間とっくに過ぎてるのわかってたんすけど……」

どう考えても、営業時間に間に合わなかった俺が悪いのに、剛さんが謝るとか。

なに余計なことさせてるんだ。

それでも、どうしても、剛さんの作る飯が食いたかったから。

でも、さすがに今日は諦めるしか───。


「果歩くん、今から時間大丈夫?」

「えっ、」

「うちにおいで」
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