モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「キャンプ。勘違いしないでよ。ふたりの、里柚と柚巳のためだから」
「……」
「今日のこと、私の注意の仕方にも問題あった、と思う、そもそも私の弟たちのわがままが原因で、だから、」
自分でも、何を言いたいのかわからない。
ただ、双子が水牧くんを嫌いになるのはなんか違う。だから……。
「要約すると、美乃里ちゃんが俺のこと好きになっちゃったってことでオーケー?」
はぁ??
人がせっかく……。
「……やっぱうそ。全部忘れて。来ないで」
「あー、冗談冗談!そんなすぐカッカすんなよ。美乃里ちゃんは?俺がいていいわけ?キャンプ、楽しめる?」
「……嫌だけど、別に。ふたりが泣くよりマシ」
「ふはぁ、優しいね。美乃里おねーちゃん」
いちいち人のことバカにしたような言い方するんだから。
ほんと、嫌い。
「調子乗らないでよね!さようならっ」
「はーい。バイバイ。また学校でね」
「ふんっ」
───バタンッ
ニヤついた声を無視して、玄関の扉を閉めた。