モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
剛さん、優しい言葉しかかけないけど、本当に大丈夫なのか。
そもそも、年頃の娘の近くにいる同世代の男なんて、娘を持つ父親からしたら最も嫌がられる対象なんじゃ。
俺が、剛さんの客であるせいで無理しているんじゃないかって思う。
「はい、果歩!」
っ!?
ぐるぐると頭で考えながら車のトランクにキャンプ道具を乗せていたら、かわいい声が聞こえた。
声のする方へ視線を向ければ、柚巳くんが俺に、スティック型のスナック菓子を差し出していた。
「わー柚巳くん、ありがとう」
ちょうど荷物を持っていて手が離せなかったので、少し柚巳くんの方へ顔を近づけたら、俺の口にお菓子を入れてくれた。
「ん!美味しい!」
「へへっ!」
「あれ?柚巳、パパにはくれないのか?」
「んーパパはさいきんお腹出てきてるからダメだって、おねーちゃんが」
「うっ、まじですか」
ふたりの仲睦まじいやりとりに自然と笑みが溢れる。