モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「見て、」
突然そう言って座ったまま夜空を仰いだ水牧くん。
言われた通り、同じように私も顔をあげると。
「わぁ……!」
思わず声が出ちゃうくらい、すごい量の星が濃紺の空にキラキラと散りばめられていた。
こんな満天の星空。
今まで生きてきて初めて見た。
「綺麗……」
「なんかこれ見てたら目冴えちゃって」
「……うん」
嫌いな彼のセリフに共感しちゃうぐらいの、息を飲む景色だった。
こりゃ、しっかり目に焼き付けとこうって思う。
どんなに性能のいいカメラでも、今、私が肉眼で見ているほど美しくは映せないだろうから。
「座ったら?」
水牧くんの声に、渋々、隣の椅子に腰かける。
言われなくても、この絶景を、もう少し見ておきたくて。