モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
テントから出て、数十メートル離れた場所にあるお手洗いに向かう。
その隣にはシャワー室、自販機も充実しているから、だいぶ明るい。
「わー、夜は思ったより冷えるな……」
トイレから出て、身体がブルッと震えて、腕を組むようにしながらテントへと帰る道を歩く。
ん?
テントに近づくと、外のキャンプ用の椅子に誰かが腰かけているのが見えた。
え……。
「……み、水牧くん?」
うす暗い中、小さなランプだけを灯して座っていたのは紛れもない、
さっきまで同じテントで寝ていた水牧くんだ。
こんな時間になにしてるの。
「おはよー」
「……いや、何してるの」
全然おはようの時間じゃないんだけど。
もしかして、水牧くんもトイレとか?
「美乃里ちゃんが出て行く音がしたから。心配で。女の子ひとりで夜 歩くのは危険だよ〜」
「なにそれ」
水牧くんと一緒にいる方が断然危なくて心配なんだけど。
ていうか、私が物音立ててしまったから水牧くんが起きちゃったってことだよね。
それはちょっと悪いことしたかも。
なんて思っていたら。