猫かぶりなカップル
そして放課後も一緒。



このまま帰るのもなんか寂しいし、どっか行きたいな…。



「ねえ奏」

「あ?」

「ケーキ屋さん行く?」

「行くか」



やった!



放課後デートだ!



あたしが密かに喜んでいたら、奏が急にあたしの手をさらっと繋いできた。



奏の手の感触があたしの心を猛烈にドキドキさせる。



と同時に、後ろからざわめきが聞こえてくる。



あたし達はギャラリーたちに今日も見られているみたいだ。



ま、手繋ぐくらいはいいか…。



あたしのキャラクターイメージよりもこの幸せの方が大事。



なのに、信じられないことに…。



奏が、繋いだあたしの手を自分の口元に寄せ、そのままあたしの手にキスした…。



「きゃーーー!」



黄色い歓声が後ろから上がる。



「ちょっ…何してんの? あたし一応ピュアキャラ!」

「うっせえな。ここでベロチューかましてもいいんだぞ」



ひっ…。



何この人!?



奏は楽しそうに笑ってる。



信じらんない…。



そして、高校の最寄りではないケーキ屋さんへ。



知り合いに見られずにデートしたいもん。



前に一緒にケーキ食べに行ったときは奏の食べたいものを注文させられたけど、今日はあたしが食べたいものを優先させてくれた。



恋人っぽい…。
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