【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい

第五章

月夜の下で

この日、ある人物が城を訪ねてきた。






「お久しぶりですオリバー様。息子が迷惑かけていませんか？」






「これはフルール殿。お久しぶりです。息子のルイスくんなら、城のためにいつも尽くしてくれてますぞ」






訪ねて来たのはルイスの母、フルール・バトラー。式の前にルイスの様子を見に来たのだ。








「それはなにより。ところで、うちの主人が最近よく、城に来ているそうで」






「えぇ、式の打ち合わせに。おかげでスムーズにことが進んでいます」






「そう。ルイスのところに行くわ」





「では、案内人を。アルマー！アルマはおるか？」





「アルマ？」






コンコンコン





「失礼致します。メイドのアルマ・レニャ・ベイカーです」





「アルマちゃん！？」




「フルールさん！？どうしてお城に...」




もしかして、フルールさんの息子さんって...。





「おや？お知り合いでしたか。アルマはこの城のメイドで、私の友人であるライアン・ベイカーのお嬢さんです」





「まさか、ここのメイドだったとはね。改めまして、私はルイスの母のフルール・バトラー。早速なんだけど、ルイスのところに案内してもらえないかしら？可愛いメイドさん」





「はい。オリバー様、失礼致します」