【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい
エレノアが亡くなってから、ライアンは着々とパーニスに行く準備をしていた。



しかしライアンはまだ未熟もの。



このままパーニスに行っても、アルマを育てながらパン屋を開くのは難しいと考えた



その事を相談する為に、ライアンはアルマと共に、オリバーの元を訪れた。



「アルマを連れてパーニスに行き、パン屋を開きたいんですが、それまでの生活の事を考えるとやはり厳しいもので....」



勿論、ライアンは考えた。アルマがもう少し大きくなって、お金が溜まってからでも遅くはないと。


しかしそれでも生活の保証は無い。余計アルマに苦しい思いをさせるだけだ。



するとオリバーは一つ、ライアンに提案した。



「お前の気持ちはよく、分かった。こうならどうだ?アルマはしばらく私達が預かる。それなら、苦しむのはお前だけだ」



ライアンはその手があったかと目を見開いてオリバーの方を見た。



だがすぐにその考え方に欠点がある事に気づいた。
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