独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「――桐子らしいな……」

伯父は妹の借金を知らなかったらしいが、私が話し終えるとどこか納得したようにつぶやいた。

やはり兄妹だからだろうか、特段驚いている様子はない。

「話してくれてありがとう。今まで気づかずに申し訳なかった。つらかったね」

伯父は私を見つめ、ぐっと眉根を寄せた。

「ううん、一緒に暮らしていた私が見抜けなかったんだもの、伯父さまが勘づけなくて当然よ」

「もうひとりで抱え込まなくていいんだよ。琴子には私も、頼もしい透哉くんもついているからね」

「うん……」

伯父に優しい言葉をかけられ、私は涙ぐむ。自分がどれほど思い詰めていたのかを痛感されられた。

「あとは私がなんとかしよう」

そう申し出てくれた伯父に、透哉さんは「よろしくお願いします」と頭を下げた。

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