独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「うん、私が琴子さんを世界一きれいな花嫁にするからね。かなり急いで進めないと間に合わないし、今から打ち合わせしちゃおうか?」

玲於奈さんが笑った。ふたりは以前と同じ気の置けない友人同士の顔になる。私は思い違いをしていると教えてくれた森窪さんに感謝した。




季節は移ろい、ついに結婚式が明日に控えた夜。

透哉さんは先週から海外出張に行っていて、マンションに帰ってこられたのは夜の十時頃だった。

少しでも早く休んでもらいたいと思っていると、いきなり彼に「ドライブに行かないか」と誘われた。

「でも、お疲れでは……」

それに明日は朝早くから結婚式の準備がある。

「どうしても今夜、琴子にプレゼントしたいものがあるんだ」

「プレゼントですか?」

きょとんとする私に透哉さんは微笑んで、「行こう」と手を引っ張った。

地下駐車場で彼の車の助手席に乗せられながら、私は戸惑いを隠しきれない。

今からそのプレゼントを受け取りに行くのだろうか。でもこの時間ではもうほとんどの店が閉まっている。

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