セカンド・ファーストラブ
「どんな髪型にしたいなーとか希望ある?」

「うーん、髪型は特に変えずに5センチ短くするくらいで。髪色が今悩んでるんですよね。おすすめありますか?」

「そうだなぁ。今はシンプルなダークブラウンだもんね。あ、ミルクティーグレージュとかどうかな?透明感出るし似合うと思うよ」


そう言って真崎さんに見せられたカタログに載っているのは、ミルクティーベージュをベースにしているけれど派手すぎない透明感のある綺麗な色で、一目で気に入った私は「あ、これでお願いします」と返した。


「うん、じゃあトーンはここら辺でいいかな?」

「はい、めっちゃ丁度いいです」


真崎さんは私の好みを的確に把握してくれているので、明るさも私好みドンピシャを当ててくれる。食い気味で答えた私にクスクスと笑って、「じゃあ色つくってくるから楽にして待っててね」と奥の方へと消えていった。



「じゃあ塗ってくねー。もし頭皮に染みたりとかしたら教えてね」

「はい」


少しして戻ってきた真崎さんが塗り始めて、その反対側からアシスタントらしき人も加わる。


「失礼します、」


アシスタントさんがそう言って鏡越しに目が合った瞬間、2人揃って固まった。
< 3 / 47 >

この作品をシェア

pagetop