檸檬色の日々




高校2年生になった今でも、あの不思議な夢のことをよく憶えてる。


「あっつ!温暖化に殺される~」


友人たちが机に項垂るそういえば今朝も昨日のように「今年一番の暑さ」だと言ってたっけ。

確かに暑いけど、毎年同じにも思える。


「こんな暑くても日華(にちか)は夏が好きなの?」

「うん。冬は得意じゃない」

「冬のほうがいいじゃん~。クリスマスもあるし」


人それぞれだと思うけどなあ。


「その鉢植え持って帰るの?」

「あ、うん。この子ボールが当たっちゃったのか元気ないの。だから家に持って帰って治療してあげようと思って」

「もー。ひまわりのこと人間みたいに言うー」


…だけどこの子は、水をあげると育つし、太陽の光を浴びようとしてる。種から育ったのをちゃんと知ってる。生きてる。

生死を彷徨ったことがあるからか、はたまた、あんな夢を見たからか、小学生の頃から園芸部や生き物係をしてしまう。


鉢植えを大切に抱えながら友人たちと歩く帰り道。

家に帰れば家族が待っていて、おいしいごはんが出て、温かいお風呂に入れて、ぐっすりベッドで眠る。


楽しくて、幸せな日々。

だけどどうしてか…いつも、何か足りないと思いながら、朝目を覚ます。

サンが私を知ったら贅沢だと言うだろうか。

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