結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜
ちゃんと向き合って貰ったことがない。
ああ、哀しい。

私は下を向いて歩くことが多くなった。
そんな時、私の目に止まったのは落ちているスマホ。
スマホに目をやる、周りを見渡す、またスマホを見る、やっぱり落ちている事を確認する。

スマホを拾い上げると、スマホのバイブがブルブルと振動した。
美容室の名前がスマホの画面にあった。

えっ?美容室から電話?どうしよう。
出る?放っておく?
私は迷った挙句出る事にした。

「もしもし」

「良かった、今何処ですか」

待ち合わせしていたのかな?でも私じゃないし。

「あのう、私このスマホの持ち主じゃないんですけど……」

「わかってます、俺が持ち主なんで……」

あっ、持ち主からの電話、ほっと胸を撫で下ろした。

「今何処にいますか?取りに伺います」

「私が届けましょうか?お仕事中ですよね」

平日の昼間、普通の人は仕事中だ。
それに引き換え私はと言うと、派遣で契約きれてニートである。
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