結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜
第三章 カリスマ美容師
それから三年の月日が流れた。
私は何の変化もない日々の中で新しい恋も出来ずに過ごしていた。


俺は凛を忘れる事は出来なかった。
百合絵と過ごす日々の中で、俺は百合絵に尽くしてきたつもりだった。
しかし、愛のない償いだけの関係にも限界が訪れた。

「廉、もういいよ、やめましょう、こんな状態で廉を繋ぎ止めていても、私が惨めになるだけ、もう十分だから、廉を解放してあげる」

「百合絵」

「そのかわり、契約解除の違約金はパパに払ってね」

「わかった」

そして俺は自由の身になった。
しかし、凛の行方はわからないまま、いたずらに時は流れた。

あれから十年の日々が流れた。
凛は新しい恋を見つけ、歩き出そうとしていた。

俺は十年間凛を忘れる事が出来ずに、悶々とした日々を送っていた。





涼風 凛、四十歳独身、なぜこの年まで私は独身なのか。
過去の恋愛がトラウマになり、一歩踏み出す勇気が無い。
また完全に名前負けしている。
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