結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜
「無料だと気合入らないですね」

ちょっと憎まれ口を言って見た。

「いや、凛だから気合入りまくりだよ」

なんて返せばいいか戸惑った。

「結婚するの?」

「えっ?」

「彼と」

あっ、そうだ、私、彼がいる事になってるんだっけ。
まさかそんな質問くるとは想定外だった、答え用意してないよ。

「えっと、します」

「プロポーズされたの?」

「あのう、その話はもう終わりにしましょう」

「なんで、聞きたいな」

私はこれ以上突っ込まれるとボロが出ちゃうと思った。

「まだですけど、でも結婚します」

「そうなんだ、さて、カラー始めようか」

「はい」

私は良かったと胸を撫でおろした。

「この色がいいと思うんだけど、ちょっと暗めだけどピンク入ってるから地味にはならないよ」

「お任せします」

そして染まる間、彼は席を外した。
しばらくして染まり具合を確認すると、

「じゃあ、シャンプー台に移ってくれる?」

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