結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜
第八章 元彼との再会
「ヤバイ、遅刻だ、これ、部屋の鍵、凛に預けるから、凛がアパートに戻ったら俺、部屋に入れないからな」

「えっ?」

「じゃ、行ってくる」

「行ってらっしゃい」

「いいな、これから凛が毎日送ってくれて、迎えてくれるんだな、決まりな、アパート解約しちゃえよ」

いやいや、勝手に決めてもらっては困る。
でも取り敢えず今日は、私が颯さんのマンションにいないと、颯さんが入れないんだよね。

買い物行って夕飯の食材買わないと……
私はスーパーに買い物に出かける為マンションを出た。
颯さんは何が好きなんだろうか、そんな事を考えて歩いていると「凛」と私を呼ぶ声が聞こえた。

聞き覚えのある声だった。
振り返ると、以前私が付き合っていた元彼、玉森コーポレーション社長 玉森 廉(たまもり れん)三十八歳だった。
廉と付き合っていたのは、十年前になる。
十年ぶりの再会である。

「廉?」

「凛、相変わらずの美貌だな」

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