篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
「あれから色々考えて、兄貴とも電話で話してさ。自分は人に勉強教えるのが好きだから、将来は教師になりたいって漠然と思い始めて。
今親とは全然会えてねーけど、ちゃんと向き合って話さないとな」
うんうん、私も慧くんは先生に向いてるって前から思ってたの…!絶対なれるよ!
慧くんがご両親に説得できるように、切に願っておく。
「んで、兄貴は俺にとってたった一人の家族だ。だからこそ、天音のことを恋人だってちゃんと紹介したい」
照れたように、それでも真っ直ぐ伝えてくる慧くんにぶわっと頬が熱くなる。
そんなの……めっっちゃくちゃ嬉しいよ!!
どうして、そこまで大事に想ってくれるんだろう。
自信のなさの所為でほんの少し戸惑うけれど、それ以上に嬉しさで胸がいっぱいになる。
慧くんからのお願いへ返事をする為に、口を開いた。
「大好き」
「えっ、うん、ありがとう?」
「アッ、ちがっ!間違えたっ!!」
「え?」