【完結】最高糖度のキミが好き


 ぱっとまた強く腕を引かれた。咄嗟に日野くんのほうに顔を向けると、そのまま光が遮られ、唇に柔らかいものがあたる。



 私の唇のあたりを日野くんの唇で押し付けられるようにされ、ただただ目を瞬いた。



 これは、つまり。



 脳が徐々に状況を理解していく間に、私の唇と日野くんの唇は離れていった。彼は私と同じ驚いた顔をして「ごめん!」と即座に謝る。



「五十嵐さんが転んだらいけないと思って引っ張ったら……ごめん、強く引っ張りすぎちゃって……。大丈夫? 唇怪我してない? 本当ごめん。ぶつかると思ってなくて……痛かった? 血とか出てないけど、切れた感じある?」

< 412 / 586 >

この作品をシェア

pagetop