【完結】最高糖度のキミが好き


 その様子を見て私は「大丈夫」と彼を安心させるように繰り返すけれど、全然大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃない。だって今のは、今のは完全に……。



「じゃあ、えっと、イルカショー見よっか……。ごめんね、今度から無理に引っ張ったりしないから。痛い思いも絶対させない」



 でも、私の百倍焦りを外に表わす日野くんを見て、私は心の中が嵐のようになっているのを無理矢理抑え、全然大丈夫じゃない「大丈夫」を繰り返しながら彼と共に観客席へと向かったのだった。

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