あなたに巡り会えてよかった…
樹の家へ向かうととてもシンプルな2LDKだった。
私の部屋にもある彼の旅行記がここにも並んでおり、他にも旅行雑誌がたくさん並んでいた。

全て樹が多少なりとも関わっていると聞きびっくりした。

「俺はまだ駆け出しだけど未央と食べて行くくらいは稼いでるよ。だから未央の給料は当てにしなくて大丈夫。俺ヒモになる気はないよ。」

と笑って話す。

生活はシンプル。
私と一緒。
私の部屋だってあまり変わらないかもしれない。
あまりに同じ価値観で驚く。
でも樹はそうだと思った、という。
私と話していると同じ価値観だと思っていたって。
なんだかこそばゆい。

樹はコーヒーを淹れてくれる。

2人並んでたわいもない会話をする。
まるで前からの知り合いのように会話が途切れない。つまることもない。

樹の隣にいたいと素直に感じた。

樹が私の隣で笑っている。

昨日は今日がこんなに幸せだなんて思ってもみなかった。

両親が亡くなってから1年。
こんなに幸せな気持ちになった事はなかった。

樹に会えてよかった。
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