あなたに巡り会えてよかった…
「少し落ち着いてきたかな?ちょっと横になろう。」

顔から袋は外されるが息がきちんと吸えることに私は安堵した。
そしてビーチチェアに寝かされた。
上にはまたバスタオルがかけられている。

その上からまた彼は背中をさすってくれる。
私が落ち着くように、優しく背中をさすってくれる。

小さな頃泣いていた時に母がよく私を膝の上で抱っこしながら背中をなぜていてくれた時のように優しくなぜてくれる。 
その手にまた涙が溢れる。
彼は小さな声で「そばにいるから横になるといいよ。大丈夫だよ。」と言ってくれた。
私は小さく頷き目を閉じた。


目の前には笑っている両親がいた。
両親のそばには小さな頃の私がいてみんなで笑っている。
手を繋ぎ山を登っている。
キャンプをしながら3人で川の字になり星を見上げている。
海で泳いでいる。
魚釣りをしている。
マングローブの中を歩き回っている。
洞窟の中を探検している。
私たち3人いつも笑っている姿が次々浮かんできた。
ここまで鮮明に夢に出てきたのは初めてだった。

ふと目を覚ますと私のチェアに寄り添うように座り込み、寝ている彼の姿があった。

私の背中に手を回し、もう片手は私の手を握っている。
彼の手は大きく、とても温かい。
その温もりを感じていると彼も起きてきた。
< 8 / 30 >

この作品をシェア

pagetop