あなたに巡り会えてよかった…
「どういうこと?海の外でも?」
「あ、いえ。なんでもないです。」
「そう??」
「今回は潜らないの?」
「うーん。まだあんまり考えてなくて。昨日ウルワツ寺院に行ったけどまた他の寺院も回りたいなって思っていて。今回はブサキ寺院やタナロット寺院にも行けたらと思ってるんです。」
「お寺めぐりかぁ。バリに何回か来ててもなかなかしたことなかったなぁ。つい海に魅せられてバリ本来の伝統文化とかを疎かにしていたかもしれない。」
「私も毎回いろんなことしてるので伝統ばかり重んじている訳ではないんです。ただ今回はこの神々がいる島からパワーを貰いたくてバリに来たんです。」
「そっか。バリはパワースポットだもんな。ここでチャージして日本に帰る感じ?」
「そうですね。そうなれたらいいですね。」
「あと何日いるの?」
「あと2日、自由ですね。」
「俺も。仕事してると1週間長いけど旅行してるとあっという間なんだよね。」
「そうですね。本当に…。でもこうやってビーチで本を読んだりするのも最高の贅沢だなぁって思います。何もしなくても旅行って何か特別な感じですよね。あっという間だからこそ出かけたくなったりする時もあるんですけどね。」
「そうそう。わかるなぁ。」
「何もしない贅沢もありますよね。たまには頭の中空っぽにしてリセットしたくなるんですよね。」
「そうだなぁ。でも、なんだか君は今とても疲れてるんだね…。さっきからそんな気がするよ。心が疲れてるのかな??」
「…」
「この島へパワーをもらいに来たんだね。」
つい頷いてしまう。
そう。私は両親という後ろ盾をなくし心にぽっかりと穴が開いてしまった。
日にちが解決してくれると思っても全然解決なんてしてくれない。
昨日まで元気な両親が今日はいないという現実がいまだに信じられずにいる。
現実は信じざるを得ないのだが信じたくない自分がいる。
ひとりぼっちになってしまったという喪失感は埋まらない。
ハァー、ハァー…
なんだか息が苦しい。
ハァー、ハァー…
息が吸えない。
手が震えてくる…
あまりの苦しさに涙が流れてくる。
私を見ていた彼は驚き目を見開いていた。
「だ、大丈夫?」
私は答えられない。
苦しい…
苦しい…
また涙が落ちてくる。
慌てて彼は持っていたドーナツの入った紙袋からドーナツを投げ捨て、私の顔に押し当てた。
「大丈夫だ。俺がついているよ。ゆーっくり息を吐くんだ。吸うんじゃない。吐くんだよ。俺が君を見ているから大丈夫。」
彼は片手で紙袋を当てさせ、もう片手で私の背中をささる。
彼の手の温もりを背中に感じる。
ハァー、ハァー…
苦しい。
助けて。
「大丈夫。大丈夫だよ。君を置いていかないよ。ついてるから安心して。息をゆっくり吐くんだ。吐かないと吸えないよ。大丈夫。俺がついてる。」
彼は優しく何度も声をかけてくれる。
背中をささる温かい彼の手に励まされるように息を吐く。
吸いたくて吸いたくてたまらない。
でも彼の言うことを信じて、彼の腕を掴みながら吐くことに集中する。
涙が頬をつたい、彼の腕から流れ落ちる。
「大丈夫。大丈夫だよ…」
どれだけ時間が経ったのだろう。
彼はずっと私の背中をさすり続け、声をかけてくれた。
初めての過呼吸が初対面の人の前だったなんて…
彼はやっと落ち着いてきた私の呼吸に安堵の表情を浮かべた。
「あ、いえ。なんでもないです。」
「そう??」
「今回は潜らないの?」
「うーん。まだあんまり考えてなくて。昨日ウルワツ寺院に行ったけどまた他の寺院も回りたいなって思っていて。今回はブサキ寺院やタナロット寺院にも行けたらと思ってるんです。」
「お寺めぐりかぁ。バリに何回か来ててもなかなかしたことなかったなぁ。つい海に魅せられてバリ本来の伝統文化とかを疎かにしていたかもしれない。」
「私も毎回いろんなことしてるので伝統ばかり重んじている訳ではないんです。ただ今回はこの神々がいる島からパワーを貰いたくてバリに来たんです。」
「そっか。バリはパワースポットだもんな。ここでチャージして日本に帰る感じ?」
「そうですね。そうなれたらいいですね。」
「あと何日いるの?」
「あと2日、自由ですね。」
「俺も。仕事してると1週間長いけど旅行してるとあっという間なんだよね。」
「そうですね。本当に…。でもこうやってビーチで本を読んだりするのも最高の贅沢だなぁって思います。何もしなくても旅行って何か特別な感じですよね。あっという間だからこそ出かけたくなったりする時もあるんですけどね。」
「そうそう。わかるなぁ。」
「何もしない贅沢もありますよね。たまには頭の中空っぽにしてリセットしたくなるんですよね。」
「そうだなぁ。でも、なんだか君は今とても疲れてるんだね…。さっきからそんな気がするよ。心が疲れてるのかな??」
「…」
「この島へパワーをもらいに来たんだね。」
つい頷いてしまう。
そう。私は両親という後ろ盾をなくし心にぽっかりと穴が開いてしまった。
日にちが解決してくれると思っても全然解決なんてしてくれない。
昨日まで元気な両親が今日はいないという現実がいまだに信じられずにいる。
現実は信じざるを得ないのだが信じたくない自分がいる。
ひとりぼっちになってしまったという喪失感は埋まらない。
ハァー、ハァー…
なんだか息が苦しい。
ハァー、ハァー…
息が吸えない。
手が震えてくる…
あまりの苦しさに涙が流れてくる。
私を見ていた彼は驚き目を見開いていた。
「だ、大丈夫?」
私は答えられない。
苦しい…
苦しい…
また涙が落ちてくる。
慌てて彼は持っていたドーナツの入った紙袋からドーナツを投げ捨て、私の顔に押し当てた。
「大丈夫だ。俺がついているよ。ゆーっくり息を吐くんだ。吸うんじゃない。吐くんだよ。俺が君を見ているから大丈夫。」
彼は片手で紙袋を当てさせ、もう片手で私の背中をささる。
彼の手の温もりを背中に感じる。
ハァー、ハァー…
苦しい。
助けて。
「大丈夫。大丈夫だよ。君を置いていかないよ。ついてるから安心して。息をゆっくり吐くんだ。吐かないと吸えないよ。大丈夫。俺がついてる。」
彼は優しく何度も声をかけてくれる。
背中をささる温かい彼の手に励まされるように息を吐く。
吸いたくて吸いたくてたまらない。
でも彼の言うことを信じて、彼の腕を掴みながら吐くことに集中する。
涙が頬をつたい、彼の腕から流れ落ちる。
「大丈夫。大丈夫だよ…」
どれだけ時間が経ったのだろう。
彼はずっと私の背中をさすり続け、声をかけてくれた。
初めての過呼吸が初対面の人の前だったなんて…
彼はやっと落ち着いてきた私の呼吸に安堵の表情を浮かべた。