キミだけは推さない、!( º言º)
◇
「えーっ。手に入れてくれたの!?」
教室で亜依に例の雑誌を手渡す。
できれば今は一秒もナナセの顔をみたくないから、すみやかに鞄にしまって欲しいところだが。
「うわー。どこで売ってたの?」
目を輝かせる亜依相手にそのお願いは無理みたい。
「知り合いが、3冊予約してたんだって。好きな子に渡るならお金もいらないって言われた」
「ガチのファンじゃん」
本人のお母さんからもらったとは言えない。
「ホントにいいのー?」
「うん」
「アキラ、もう読んだ?」
「……いや」
読む気ないし。
「一緒に読も!」
「ええっ……」
「うちも読ませてー!」
あっという間に亜依の席に人が集まってくる。