キミだけは推さない、!( º言º)


――――ブルッ


スマホが震え、画面を確認する。


【着信:ナナセ】


「……もしもし」

『なに既読スルーしてんだよ』


バカみたいに嬉しい。


ナナセから、電話がきて。

ナナセの声がきけて。


いつもの調子で話すことができて。


「……ごめん」

『んだよ。具合でもわりいのか』

「べつに」


ナナセ相手に、こんな気持ちになる日がくるとは。


『なーなーせっ』


……!?


『寄んな。クソが』


ナナセのそばから聞こえる声


『あはは。くちわるーい。誰に電話してるの?』


女の子の声……だよね。


部屋に、入れてるの?


『あっち行ってろ』


< 167 / 248 >

この作品をシェア

pagetop