美しき花は罪
「話したくなければ無理に話す必要はありません。でも、傷付いた女性を放っておくことはできませんので、今からおいしいものでも食べに行きませんか?」

ラファエルはそっと女性の手を握り、まっすぐに見つめる。女性の頬は赤く染まっていき、「はい……」と返してくれた。

「やった!いいお店があるんですよ」

ラファエルはそう言い、女性の手を自身の腕に組ませながら歩いていく。お店に向かう最中にお互いに自己紹介も済ませた。女性の名前はエレーヌ・ユゲットと言う。

エレーヌを連れてラファエルがやって来たのは、以前フランソワーズと言ったことのある高級料理店だった。お金持ちしか入ることのできないお店に、エレーヌは「ここで食事をするんですか……?」と顔を強張らせた。

「大丈夫ですよ、俺がお金を出しますから。女性に払わせるほどお金がないわけではありません」

ラファエルはそう言い、エレーヌと共に店内に入る。店員が「いらっしゃいませ」とお辞儀をし、個室へと案内してくれた。ここの料理店は、個室で夜景を楽しみながら料理を楽しめる。
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