美しき花は罪
「あ、あ〜ん!」

アリエルは少し恥ずかしそうにしながらも、幸せそうな表情でロールケーキを一口食べる。そしてまた「甘くておいしい!」とはしゃいだ。

幸せそうに食べるアリエルを見ていると、ラファエルの中に幸せが生まれる。それと同時に、もっと甘いもので満たしてあげたいと思ってしまうのだ。

誰も見ていないことをチラリと目で確認し、ラファエルは素早くアリエルの唇を自身の唇で塞ぐ。アリエルは突然のことに驚いているが、ラファエルが下唇を軽く噛んだり、舌で口腔内を乱してしまうと、すぐにその目はとろけたものに変わってしまう。

「……これ食べたら、もっと甘いことをしよっか」

真っ赤な顔をして荒くなった息を整えているアリエルに、ラファエルは妖艶な表情で囁いた。





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