私に恋を教えてください
「あ、何かあれば、いつでも言って」
「ん、あー、ありがとう……ございました」

駆琉は透悟に向かって、にこっと笑う。
「どういたしまして」

柚葉は駆琉を立ち上がらせて、ぐいぐい引っ張って自分の部屋に連れていく。
「柚葉?」
「もう! なんでそうなの?」

「そう?」
「妬けちゃったんです。多分。皆に優しいんだもの」

「だって……柚葉の家族だよ?」
「でも……っ」
上手く言えないけれど、自分だけに優しくして欲しい……なんて言えないけれど。

柚葉は、でも、でも……と俯く。
上手く言えない。
家族だし、妬いてしまうこともおかしいのは分かっている。

なのに、私だけを見てほしいなんて。

「柚葉……」
駆琉は柚葉をぎゅっと抱きしめた。

「独占欲だよ。妬いてくれたんだな。ヤキモチ妬いてる柚葉、すっごく可愛い」
「え……?」

柚葉はいつも欲しいものを、欲しいだけ与えられてきたと思う。
何かに不自由を感じたことはない。
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