私に恋を教えてください
とても可愛いお願いだが、なぜ観覧車なのだろう?
「どうして観覧車?」

「すごく高いでしょ? きっと遠くが見えて景色がいいと思うんだけど、そんな素敵な景色をを好きな人と2人だけで見れるって、すごく贅沢な気がして。素敵なものを好きな人と共有したいなって。それが憧れなんです」

「乗ったことは? ないの?」
柚葉はこくりと頷く。
「お友達と隣の水族館には行ったんですけど、観覧車は行かなかったの。それは好きな人と行きたかったから……」

「その体験を俺としたい、と思ってくれたんだね」
「はい!」

柚葉がくれるものは、いつも胸が痛くなるくらいに素敵なものばかりだ。

彼女は確かに資産家のお嬢様なのかもしれないが、それ以上に心がとても豊かな人で、駆琉にはそういうところこそ魅力的に思える。

駆琉は胸の中の柚葉を再度きゅうっと抱きしめた。
──俺の宝物だ。

そこへ、ぶるるっ、ぶるるっ、と携帯が着信を知らせている。

「……ん?」
電話は自宅からだった。
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