私に恋を教えてください
そうして須藤は柚葉の口に、マスカットを一粒入れた。
「美味しいだろう?」

口元に手を当てて、柚葉は顔をうつむかせてしまっている。
「味なんて、分かんなくなりそうです……」

侑也にしても須藤にしても、大人過ぎて柚葉にはどうしたらいいのか分からず、本当に戸惑ってしまうのだ。


唯一分かったのは、食べさせるのも、食べさせてもらうのも、非常に心臓に悪いということだけだった。
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