どうにもこうにも～出会い編～

　しばらくすると橋本くんと志穂ちゃんが一緒に現れた。「遅れてすいませんー！」とふたりは慌ただしく入ってきた。

「おうおう！先輩ふたりを待たせるなんておまえたちいい度胸だな！」

　なんて三宅先輩はそう言いながら笑った。

「「かんぱーい！」」

　バイトで会うことが多いので、バイト服以外の服装で大学や飲み屋で会うとなんだかいつもと雰囲気が違ってこそばゆい。

飲み会ではバイトの話、大学の話、進路の話、恋愛の話なんかが飛び交う。1時間もすればみんないい感じにできあがり、赤ら顔で笑い合っている。ふわふわとしたいい気分だ。

　一番この中でお酒が弱いのは橋本くんだ。既に呂律が回っていない。案の定、三宅先輩にいじられている。たぶん一番強いのは志穂ちゃん。物静かで控えめに笑っているような子だけど、たぶんお酒を飲むペースは一番速い。隠れた酒豪である。


　あっという間の2時間半。就活で精神的に辟易している私にとっては、いい気分転換になった。年長者の三宅先輩に少し多く払ってもらい、私たちは店を出た。2年生のふたりは明日が1限からなので、このまま帰るらしい。