もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜
あの子、あんなに小さくて可愛かったか?俺の記憶よりも高校生になったせいか垢抜けていて、すごく魅力的に感じる。心臓が激しく鳴り、兎に角奈湖に釘付けになった。
あれから奈湖を探すのに、何度あの本屋に立ち寄っても、駅ビル前で待ち伏せても会えなかったのに、まさか同じ学校に入学していたなんて。
けど、やっとあの時のお礼が言える。やっとだ。
委員会が終わり、最後の方に教室を出て行った奈湖を廊下で呼び止める。
「小森さん」
「────はい」
振り返った奈湖と視線が交わり、余計に胸が高鳴った。
「あの時はありがとう」
「え?」
「あぁ、そうだよね。突然ごめん。俺は──」
「花宮先輩、ですよね?さっき自己紹介してた」
「え?うん。そうだよ」
「前にどこかで会いました?……ごめんなさい、覚えてなくて」