もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜
二人で宿題をしていて、なんとなくじゃれ合っているうちに、勢い余ってこんな体勢になってしまったわけなんだけど……。
これは、もしかして、そういうことだよね?
唇が重なるほどの至近距離、私はぎゅっと目を閉じる。
せめて、せめて優しくしてくださいっ……!!
心を決めたその時、突如先輩が噴き出した。私は目を開き、身体を起こした先輩を見上げる。
「っ……ふふ、あははっ」
「え?」
「流石に今日はしないよ。可愛いなぁ」
「なっ……! からかったんですか?!」
「ごめんね、あまりにガチガチになってるから」
「もーーーっ!!」
酷い、からかうなんて。
フンと膨れると、先輩は笑うのをやめて、私の身体を起こしてぎゅうっと抱きしめてくれた。
そして、耳元で吐息と共に甘く囁く。
「いつか、大切にもらうから、その時までちゃんと取っておくんだよ?」
「っ〜〜〜!!」
分かってる。
これからも、私のはじめては全部花宮先輩のものだ。
『もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜』おわり