もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜




 ────次の日から私は呆気なく無視の対象になった。


 朝、クラスに行き、明らかに私を見る雰囲気が違う友人達。話し掛けても、何故か馬鹿にするように笑われ、距離を置かれる。


 喉がカラカラに乾いて、私は自分の席から立つことができない。


 言葉のナイフだけが、私の心に容赦なく突き刺さる。




「あんなにカッコいい人、別に撮られても何の損もないじゃん」
「考え固すぎて正直無理。正義感振りかざしてなんなの?うざ」
「ほんと無理なんだけど、消えて欲しい」
「前々からあいつ、真面目すぎてノリ合わなかったんだよね」


 

 あぁ、私ってなんなんだろう。


 人を助けたところでこんなに傷つけられて、馬鹿みたい。


 もうやめよう。もう人に合わせよう。目を瞑っていればもうなにも見えない、悪いものも良いものも、周りに判断してもらう。


 ────だから、高校生になったら私は私を変えるの。





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