この願いは間違っていましたか?
《瑞area》

あのあと、意外にもすんなり帰してくれた。

もっと引き止められるかと思ってたのに・・
!!――って、違う違う///!!

私がそんな感情をもっちゃ・・ダメ


「あんなんした俺の顔なんて、もう見たくねぇから?」


う/// 
なに?どおしたの?私っ・・
だ、ダメ・・
ダメ・・だよ

・・この距離のまま・・・側に入なきゃ。
ずっと木崎くんに嫌われず   離れず・・
それが・・


「瑞~~木崎に告ったんだって~~?!」
「わわっ!!静っ!声でかいっ!!」
「あぁ、ごめんごめん」
「もぉ・・」
高校から一緒の私の親友、香桜静(かざくらしず)明るくて、素直で、私とは正反対。

「やるじゃん♪あんたってそんなキャラだったっけ?かなり心臓バクバクだったんじゃない~?」
「んー・・い、やぁ。けっこう平気だった・・」

「・・ へぇ」

全然平気  ・・だって・・あの言葉は、

「あなたが好きです」


私の言葉じゃないから。

「で!どうなのよ?返事は?」
「え?あ、う、うん。付き合う?って聞かれた。」
「うわっ!!すごいじゃん!!もちろんOKしたんでしょうね!!」 
まるで、自分の事のように生き生きと目を輝かせて聞いてくる静。
「し、しないよ。」
「へ?」
「そんなコトできないよ」
「どうして?付き合う?って言われたんでしょ?なんで断るかなぁ・・」
「・・・」
「どー考えても好きな人とは付き合いたいって思うでしょ!」
「い、いいの!私はソレで!」

「何がいいの?」
「だから、別に付き合わなくても・・―って!!えっ??!」
振り向くと、そこには・・

「き、木崎くん!!」
「よっ♪」
「なっ、なんでココにっ??!!」
「なんでって、俺は学食食いにきたらあかんの?」
「あ・・」
そっか。ここ、ランチルームだったの忘れてた

「隣、ええか?」

「だめ」
「ちょっ・・瑞っ・・」
静が慌てて席を立った。

「なんでダメなん?」
「・・それは」

「彼女ならもういてへんで?」
「・・そう・・彼女・・・
・・・・・・・・・・・・はぁ??!!」
「遅っ(笑)」
「えっ、なんで??!!」

「なんでって、そうしな二度と会わへん言うからやろ、自分が。」ニッ♪

「―――――――・・え」
「や、やるじゃん!木崎奈津~~♪♪」
放心状態の私を無視して、静は大はしゃぎで、木崎くんの手を握りしめ、ブンブンいわせてる。
「誰や?あんた。」 木崎くんがひいてる・・
「あ?私は静。瑞の親友で~~す♪よろしくね♪」
「・・へぇ。あんたが親友?意外やな・・」

なんか静と木崎くんがじゃれあってる・・
さすが静。とても初対面と思えない

ぼーっとしている私に、木崎くんは、
「まだ受けなあかん講義あるん?」
「え?」
「俺は今日は終わり~~♪」
「あ、私も・・終わったよ?」
「ほんなら、どっか行こ♪」
「え?」

「行ってきな~瑞~~♪じゃ、私は帰るね~~」
静はそう言うと、さっさとランチルームから出て行ってしまった。
えっ?ちょっと、待ってっ!そんな私、困るっ・・

オロオロし出す私の手を、木崎くんは強引に引っ張っていく。
あ。あのっ・・えっ////


校舎から出ると、木崎くんは
「車、バイク、電車・バス どれに乗る?」
いきなりそんなコトを聞いてきた。

「・・えっと・・歩き」

「スゲ。選択肢以外の答え言いよったで。」
「あ///・・ごめん」
「ふ。ほんなら、歩こうか。」
あ。優しい ・・顔

あの時・・見た  ・・あの顔と同じ・・だ


「どした?」
「う、ううん・・なんでもない。」
「ふー・・ん」
「え?なに?」
顔をマジマジと見てくる木崎くんに私は慌てたっ!

「や、最初会うた時から、どうもどっかで見たコトあるよーな・・と思てな。う~~ん・・」
「・・・え」
「あんま、俺、人の顔、覚えーへんから、わからんけど」

「・・人・・違いだよ」
「ん?」
「私と木崎くんが会ったのは、この間が初めてだよ。」
「そぉか。ま、瑞がそう言うならそうやろな♪」
「うん。そうだよ―――て!!なに??なんで呼び捨て??!!」
「はははははっ♪うけるわ!その顔っ!」
「なっ///じ、女性の顔を笑うなんてっ///」
「あんた、リアクション女王やな♪おもろすぎ」
木崎くん、お腹をかかえて笑ってるし・・
そんなに変な顔してたんだろうか私。 ・・う・・ショック

両手で頬を覆う私に、
「言い方、悪かったなぁ。ほんまは、可愛いすぎやって言いたかったんや。」
「え?」
「最初、会うた時もそうやったけど、
・・こんなん初めてや」
「え・・」
「こんなおもろい女、初めてや♪」
「へ?お、おもろ・・い?」
「ははははっ」
そ、それって喜んでいいコトなのかな・っ?

「で?まだ。付き合ってくれへんの?」
「は?」

え?なんか・・木崎くん真面目な顔・・してる
真剣に言ってくれてる?

・・・でも
「ごめん・・」

「・・はぁ。なんや、俺、殴られ損や。」
「え?殴られ?」
「元カノ2人にな」
そう言って頬をさする。
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