愛され、囲われ、堕ちていく
「伊織、おかえり。待ってたわよ!」
「お邪魔してます」
「早く帰れよ!邪魔!!」
露骨に嫌な顔をして、紅音と多重に言う伊織。

「今度、HPが集まるでしょ?
それに、凪沙と多重も行きたいって!」
「わかってるよ!今回は凪も一緒!留守番させるわけにはいかないし!
てか、この女は誰だ?」
「中学ん時の友達!女性だから、いいでしょ?」
「わかった」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そしてHPのメンバーが、いつものたまり場に集まった。
「久しぶり~!伊織、敬太!凪沙も!」
「おぅ!みんな元気そうじゃん!」
「皆さん、久しぶり!」
「二人が結婚してからだから、もう…二年近く経ったってことだよな!早いな~!」
仲間達と再会を懐かしむ、伊織、敬太、凪沙。

伊織と敬太、臣平以外は結婚後は会っていなかった為、ほんとに久しぶりだ。
みんな、伊織と同じくらいの年齢なのでほとんど今は学生だ。
多重を軽く紹介して、みんなで楽しく飲み会をひらいた。

「伊織」
「んー?」
「なんで私達だけ、こんな大きなソファーに二人だけなの?」
「前にも言ったでしょ?俺の隣は凪だけしか似合わないって!だから、誰も俺達の隣には座れないの!」
なんだか変な理屈を並べられ、無理やり納得させられた凪沙。
「相変わらずだな、伊織」
「だよな~(笑)」
「るせーよ!!」
そう言って、煙草を取り出し吸い出した伊織。
天井に向かって、吹いた。
「………/////」
凪沙は、その伊織の仕草が好きでつい見惚れてしまう。
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