愛され、囲われ、堕ちていく
「嫌いだよ。一番大切な親友だけど、一番嫌い。
俺は、裕隆みたいに卑怯なことしない…!」
「え?卑怯?裕くんが?」
「そうだよ。死んでからもずっと凪の心に染み付いてる。そんなの卑怯だ!
今、凪の心の中にいれるのは、俺。
今、凪の目に映ることができるのは、俺。
今、凪の声を聞くことも、凪に声を聞かせることも、キスできるのも、抱くことができるのも、世界中で俺だけ!」
「伊織……」
「凪が好きなのは、誰?」
「伊織だよ」
「今、誰が映ってる?」
「伊織」
「誰の声が聞こえる?」
「伊織」
「キスしてるのは?」
「ンン……伊…織…」
「こんなエロい、可愛い顔見れるのは?」
「んぁぁ……あ…あぁ…はぁ…」
「誰?言えよ…」
「ん……い、お…り……」
「だろ?
だから、もう二度と…裕隆の名前出すなよ…わかった…?」
「あぁ……やぁ…そこ、だめぇ……
━━━━━!!」
「凪…凪……俺だけの、凪…」
「伊織ぃ…」
「凪…俺を見て?
ちゃんと俺に抱かれてるって、実感して…?
凪を抱けるのは、俺だけなんだから…!」

何度も果ててまだ繋がったまま、伊織が凪沙を組み敷いている。
「はぁはぁ…凪……まだまだ、終わらないよ…?
もっと実感させて?
凪が俺のモノだって…!」
凪沙の額に自分の額をくっつけ、囁いた伊織。
「も、う…だめ…伊織…お願い……」
間近にある伊織の顔を見つめ、懇願する凪沙。

凪沙の指に絡めて握り、更に囁いた。
「ダメ…もっと、俺に落ちて……
もう誰も、入る隙がなくなる位に……」
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