君はどんな味がする?
前菜
コニーが朝いなくなっていることに気付き、使用人たちはみんな慌て、コニーを手が空いた者から探して回っていた。

「アルフレッド様、エマ様、コニーを知りませんか?」

そう聞かれた時、アルフレッドは「知らないなぁ」といつものように答えることができた。エマはどこか罪悪感を感じているようだが、アルフレッドは「大丈夫、遺体はうまく隠したから」と微笑んでエマに口付ける。

エマに口付けている時、アルフレッドは次は人の肉を食べたいと思ってしまった。唇が離れ、息を整えているエマの肉を食べたいと思う。しかし、エマの肉は食前酒の次に出る前菜向きではない。それにすぐアルフレッドは気付き、誰を食べるのがいいのか考える。

「ジャンは歳を取りすぎているし、かと言って一番若いマックスも違うな……」

忙しそうに働く使用人たちを物色するように見つめ、アルフレッドは前菜に相応しい人間を見ていく。その時、「可愛い!」と使用人たちがはしゃぐ声が聞こえてきた。
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