【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 レオンは、キャロルが万が一にも別の男に心を奪われないように、近づく人間は徹底的に排除してきた。
 彼女が小さい頃からお姫様のように大切にしてきたし、お茶にかこつけて彼女の好物である甘いお菓子やケーキで餌付けもしてきた。

 邪な自分を見透かされないように、いつでも笑顔を浮かべて品行方正な王子を演じてきた。完璧な外面に、キャロルはすっかり騙されてくれた。

「十二夜は阻止しようとしているけれど、キャロルは俺を好きなままだ」
「なぜ断言できる。人の好意は、目に見えないものだ」

「見えなくても分かるものだよ。キャロルは、俺の好きな人が自分ではないと信じて、自力で王城を探し回っていたんだ。でも見つけられなかった。当然だ。そんな人はいないんだからね。最近では探すのを諦めて、素直に薔薇を受け取ってくれている」

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