【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「ご安心ください、レオン様。わたくしほど善良な立てこもり犯はおりませんわ。二夜目が過ぎましたら、鍵を開けて部屋を出て、公爵家に帰ります。シザーリオ公爵から王室に謝罪をお持ちしますが、レオン様には一切のお咎めがないように計らいますから――」

 そのとき、後方でドゴン!と大きな音がした。
 振り返ると天井に大穴が空いていて、天井裏からレオンが飛び降りてきた。

「掃除が行き届いていないな」

 軽々と床に着地した彼は、服についた埃を片手ではらった。
 衝撃で結った金髪が乱れていたが、それすらも様になる美貌は今夜も健在だ。

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